サッカー日本代表:11月欧州遠征オランダ戦

安岡久遠のブログより

まず、スターティングを代えた意味がわからない。
あまりに固定化したスタメン批判に応えたのだろうか。だとすれば、あまりに短絡すぎる。
メンバーを試すなら、セルビアベラルーシ戦ですべきで、オランダ、ベルギー戦はそれこそ日本のベストメンバーで臨むべきだったと思う。

まあ、川島、柿谷は納得しないわけでもないが、遠藤と香川は解せない。ともあれ、試合内容は予想したとおり、先の10月に2戦より良かった。

序盤は日本の攻勢だった。最初から全開の日本に対して、オランダは様子見だったので、
そうなったのだが、その時間に得点できなかったのが、その後のミスによる失点につながってしまった。これはいつものパターンで相変わらずである。

前半5分の山口のシュートだが、無理を承知で言えば、同じ右足で蹴るなら、シュートフェイントを掛けて、DFを交わしてからシュートできなかったのか。そのあたりが世界レベルとの差だと思う。
内田のミスは弁解できない。中央エリア付近であればまだしも、ペナルティエリア付近であのヘディングはない。ブンデスリーグで世界レベルのクラブ、選手と戦っているはずであるから、その彼がこんなミスを犯すようでは戦えないということになる。

オランダの2点目は、ロッベンの個人のレベルの高さから生まれたものだので、どうにもならないだろう。その後は膠着状態が続いたが、前半44分に待望の得点が生まれたのだが、高い位置でのボール奪取から、1本のスルーパスで、大迫のダイレクトシュートだった。これは長谷部の好パスに応えた大迫の見事なシュートに尽きる。これまでだと、大体がキーパー正面か、ポストの外になったのだが、きっちり枠の隅に打ち込んだ。ダイレクトシュートだけに余計価値がある。
あえて、難癖をつければ2−0となってオランダが気を緩めたとも言えなくはないが、前半終了間際であれば、2−0で終わりたいとの意思があるであろうから一概にそうとも言い切れず、十分に価値があると思う。

選手交代も含めて期待の持てる後半になったのだが、後半開始から香川と遠藤が入った。
しかも遠藤は長谷部に代わってだったので山口を試すという点でも良い選択だと言えた。
後半開始、決定的に近いピンチがあったが、その後は日本の方が攻勢だった。本田のぽスト直撃、香川の個人技、長友のシュートといい形があったが、得点できない。高い位置でボール奪取に成功していたし、セカントボールも拾えていた。
また、得点できず、流れがオランダに渡るのかと思いきや、オランダはコンディションが悪かったのか、動きが止まってしまった。ために、日本が押し込み、オランダはカウンタターを狙うという展開になった。

そして本田の得点が生まれた。これは遠藤の大きなパスから細かいパスを繋いでの見事な得点だった。大迫は1得点1アシストと先発抜擢に見事に応えた形である。これで、前田に取って代わる存在に浮上した。

ただ、あえて注文を付ければ、ややパスミスが多い。細かいことをやり過ぎる嫌いがある。オランダの今日の調子から言えば、決定的なミスにはなっていないが、細かいパスを繋ぐ場面と大きな展開をする場面のメリハリが重要だと思う。これは改善すべき点であろう。

2−2となってオランダがエンジンを掛けてきてどうなるかと思っていたが、それからしばらくの間も日本の攻勢が続く。香川の個人技のシュートもキーパーの攻守あって得点できなかった。

残り20分を切って、ここからは正念場となる。オランダも勝ちに来ているし、日本のスタミナも心配になる。そして32分、決定的なシーンが訪れたが、柿谷が外してしまう。大迫の活躍から見れば、また柿谷の能力からすれば、いや誰であっても代表レベルであれば、外してはならないシーンだった。厳しいようだが、これを決めれないのであれば、柿他には代表には残れないだろうし、残っても控えに甘んじることになるだろう。評している選手だけに残念だった。

結局、2−2の引き分けとなった。
これをどう見るかだが、内容は日本の方が良かった。オランダの状態も疑問視されるが、それでも、特に後半は遠藤の長短のパスがリズを産み出し、選手間の距離も良かった。スタッツも良いし、10月の欧州遠征に比べれば、格段に良い内容だった。ただ、いつも言われることだが、今日の内容であれば4−2で勝てた試合である。少なくとも、〜たら、〜ればではなく、柿谷の決定機逸が大きかった試合だった。

さて、次戦はベルギー戦だが、このベルギー戦こそ日本の真価か問われる一戦だろうと思う。オランダに比べるとネームバリューは無いが、近年急激に力を付けて来た実力国で、オランダとも遜色がない。プレミアリーグに所属する選手が11人もいるし、新興国だから、たとえばブラジルやオランダのように日本を見下すこともないと思われる。
つまり、ホームでもあるし、真摯に日本に向かってくるだろう。したがって、ベルギー戦こそが来年のW杯を占う上で最重要な一戦と言えると思う。楽しみな一戦である。

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