国際情勢:ロシア、クリミア編入

安岡久遠のブログより引用

『国際情勢:ロシア、クリミア編入

ウクライナのクリミア地方が住民投票を行い、ロシアへの編入を宣言し、ロシアがこれを承認しました。これに対して、米国や欧州を中心に非難をしていますが、国連も打つ手はなく、結局はなし崩しに現状追認という経過を辿りそうです。元々、国連などというものに期待を抱くのが間違いのもとで、特に常任理事国には拒否権がありますから、五か国の所業には手出しができないのです。

私は、誤解を招くことを承知で言わせてもらえれば、よくぞロシアよこの蛮行を断行してくれたと感謝しています。

その理由の一つは、ロシアの蛮行が認められれば、次は必ず中国が尖閣諸島に手出しをしてきます。このとき、国連も米国も当てにはなりません。そこで、日本は中国と係争中のベトナム、フィリピン、インド、モンゴルらと共同で対処することになります。つまり、集団的自衛権行使の容認が必須となるわけです。今回のロシアの蛮行は、この論議に消極的だった国民の目を覚ます効果があったといえます。集団的自衛権行使は意外とすんなり纏まる気がします。

次に、安倍首相が米国、欧州に追随し、ロシアを非難したことで、これまでの蜜月が崩壊し、北方領土返還交渉に支障をきたす、と言う馬鹿がいますが・・・・あえて馬鹿と言っておきましょう。朝日や毎日のように安倍首相の足元を掬いたい連中ですが・・・・実際は全く逆で、進行すると私は思っています。言い過ぎですが、プーチン北方領土で日本に譲歩する布石としてクリミアを編入させたと思っているぐらいです。

ロシアは今経済が上手くいっていません。ソ連崩壊後、主な産業は衰退の一途で、かろうじて豊富な資源で持っているのです。天然ガスを欧州各国に供給し、エネルギ−安全保障で優位を保っていますが、さらにシベリアの天然ガスをどうにか日本に買ってもらいたいという事情があります。

米国で安価なシェールガスが採算化され、日本も一部購入に成功しました。時間が経てば、米国からの輸入が増えていくことは必定で、さらに日本自身がメタンハイドレートの採算化に成功すれば、ロシアからの天然ガスを購入する必要がなくなります。時間が無いのはロシアの方で、ロシアにすれば一刻も早く売り捌きたいという本音があるのです。

そこで、プーチン北方領土返還交渉では、ある程度の譲歩を覚悟していると思います。しかしながら、領土交渉で譲歩すれば、いかにプーチンといえども国民からの支持が低下するの必須ですので、その布石としてクリミア編入、つまり領土を拡大したという実績を作っておきたかったと推察します。たぶん、間違いないでしょう。安倍首相は、米国や欧州と共同歩調を採りながらも、裏でしたたかに領土交渉すべきですし、すると思っています。という理由で、表向き『ロシアは無茶するなあ』とウクライナに同情しながらも、その実ほくそ笑んでいる私です。

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